11月の展覧会の様子:Sarah Webber、Lisa Ghent、Nellie Rogerson

先月は3名の女性オーストラリア人アーティストがレジデンス・プログラムに参加し、11月28日と29日に個展を発表しました。
季節が夏のオーストラリアから来た3名は、日本の寒さにも負けず前向きでいつも笑顔だったのが印象的でした。
初日のアーティストトークとともに展覧会の様子をお伝えします。

シドニー在住のヴィジュアルアーティスト Sarah Webberサラ・ウェバーによる個展「Elements of Play」は、スタジオクラギャラリーにて開催されました。
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遊びの要素を取り入れたカラフルで大きなインスタレーション。冬の時期に合うこの展示は、米蔵のギャラリースペースを暖かく新しい空間へと変化させました。

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球型の彫刻作品は、円のシート20枚を組み合わせ1つ仕上げるのに約2週間かけて制作しました。子供は空間を歩きながら作品の大きさや色を楽しみ、大人は作品の配置や構造を楽しんだり子供に戻れるような気持ちになるような展示を試みたそうです。

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サラさんとご友人。ご友人は大分から駆けつけてくれました。

Sarah Webberプロフィール
個展「Elements of Play」のご案内

その後、メルボルン在住のヴィジュアルアーティスト Lisa Ghentリサ・ゲントの個展「Persistence of the Self」がある第1レジデンスのアトリエに移動しました。
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アトリエに入ったら最初に目に入る紙の彫刻作品に、多くの方々が興味を持ってくださいました。

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普段はペインティング作品を制作する彼女ですが、ペーパーマシェ(紙を重ね糊などで固める)の技法を使い彫刻作品にも挑戦しました。レジデンス滞在前に四国遍路を行ったこともあり、お寺でよく見かける花のモチーフの装飾彫刻からインスピレーションを得て輪廻転生のようなイメージを連想させる作品を発表しました。

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ハガキサイズの厚紙に細部まで丁寧に描かれた女性は油彩で描かれ、自身の経験や思いが投影されています。その世界を覗いているような感覚にするため小さなサイズで制作を行ったとお話しくださいました。

Lisa Ghent プロフィール
個展「Persistence of the Self」のご案内

最後は、第2レジデンスの座敷のお部屋に移動し、Nellie Rogersonネリー・ロジャーソンの個展「Chippies and tinnies」をアーティストとともに観賞しました。
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こちらは彫刻作品でもありながらテーブルにもなる作品。その上には花瓶のようなオブジェがあります。日常素材を用いて作品を制作する彼女の作品は、壁に使われる板や、キッチンボール、消臭剤、ビールの缶やメモ帳などが使われています。キッチンボールを上下に組み合わせ、消臭剤を入れた花瓶のオブジェは、形の美しさを表現すると同時にいつ倒れてしまうかわからない不安定さや危うさも表現しています。

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日本には「カワイイ」ものがオーストラリアより多くあり、どんな世代にも受け入れられていると語ったネリーさん。文化の違いを人々や地域の習慣からだけでなく、日用品からも見ることができたそうです。

Nellie Rogerson プロフィール
個展「Chippies and tinnies」のご案内

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アーティスト・トークに参加くださった皆さま、どうもありがとうございました!

今月は、Jessica Skupaによる個展が12月24(木)〜26日(土)にあります。
今月の個展もぜひご期待ください!

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