1月16日,17日の展覧会の様子:Sarah Bertrand-Hamel、Betty T Doll、Rob Ball

今年1回目となる滞在アーティスト達の個展は、先月1月16日(土)、17日(日)に開催されました。
1月半ばの寒い時期ではありましたが、豚汁で温まりながら和やかなオープニングパーティーとなりました。
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モントリオール在住のアーティストSarah Bertrand-Hamel サラ・ベルトランド・アメルによる個展「The Path to the Ginger’s Spirit」(生姜らしさを描くまでの道のり)は、スタジオクラギャラリーにて開催されました。
糸島で見たものを和紙に墨を使い描き、時には写実的に、時には抽象的に表現した作品を十数点発表しました。

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筆でなで色を注いだり、和紙を破いたり折ってみたり、また和紙に墨を吸わせスタンプのようにして描いてみたりと実験的かつ多様な表現を探求した経緯が見られました。

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滞在当初、キッチンにふと目にした生姜を描こうとしたら上手くいかず、他の対象も描きながら何度も生姜を描くことに挑戦したと語ったサラさん。最後には立体的で細部まで丁寧に描かれた生姜を描くことができました。
Sarah Bertrand-Hamelプロフィール
個展「The Path to the Ginger’s Spirit」のご案内

次に、向かいの日本家屋の縁側に移動し、Betty T Dollベティ・T・ドールの個展「YUKI NO KO」(雪の子)を観賞しました。
抽象的で幽霊のような人形のポートレート・シリーズを展示した本展は、グロ・ロリータ・ファッションの「イノセント・ゴア(白地などのドレスに血の塊がついたもの)」の要素と日本の球体関節人形を合体させたドローイング。日本の顔料を用いてどことなくゆるキャラにも似た作品を発表しました。

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グロ・ロリータ・ファッションの雑誌を観客に渡し、作品について語るベティさん。

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すりガラスの色とトレーシングペーパーの色がとてもマッチしています。辺りが徐々に暗くなると、ライトアップでさらに幻想的で少し怪しげな雰囲気になり、廊下に面した窓際での展示は幽霊というキーワードにぴったりな空間となりました。
Betty T Doll プロフィール
個展「YUKI NO KO」のご案内

その後、メルボルン在住のアーティスト Rob Ball ロブ・ボールの個展「FAMILY MOUNTAIN」(家族の山)がある第1レジデンスのアトリエに移動しました。
糸島の港町にある沿岸の後背地で、何代も続く家族に大切にされる山々をテーマにした作品を発表しました。彫刻や写真、映像インスタレーションなど様々な表現を用いながら、歴史とともに垣間見える山の現状を描いた展示となりました。

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山を登った時に忘れさられたお墓を目にしたと話すロブさん。果物やお酒などを石膏で型取り、海で拾った石で台をつくって窓側に在る山々にひっそりと佇むお墓のお供え物として彫刻作品を制作しました。

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風になびいて動く竹林の様子がスローモーションで映し出された映像作品。戦前は薪用に植えられた竹が活用されることなく今では増え続け山々の景色の一部になっています。ゆっくりと動く竹林はまるで息をしているようで、とても美しい映像でした。

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一部の節間が石膏で塗られた竹林。これは、スタジオクラ代表の松崎が松崎家の第11代目であることからインスピレーションを受け、下から11番目の節間を白く塗り、家族そして山が受け継がれていく様子を描いた作品です。

Rob Ball プロフィール
個展「FAMILY MOUNTAIN」のご案内

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ご来場くださった皆さま、どうもありがとうございました!

今週2月27日(土)、28日(日)にはCalum Sutherland、Konstantin Grebnev、Jeongsoo Limの3名による個展があります。
オープニングは土曜日15時〜、お時間よろしい時にぜひお越しください!

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